SMS認証コードが届かない根本原因と、到達率を上げるサービス選びの判断基準

ユーザー側と送信基盤側の原因を切り分け、代替手段とプロバイダー選定まで整理する
認証コードが届かない問い合わせが多い、到達率が安定しないという課題に向けて、ユーザー側・システム側の原因の切り分け方・代替認証手段の比較・プロバイダー選定のポイントを整理しています。情シス・CS・開発担当者の社内判断材料として使えます。

鈴木 伸吾(監修)

鈴木 伸吾(監修)

コミュニケーション・プラットフォームサービス部 部長

「認証コードが届かない」という問い合わせが増えてきた、あるいは到達率のデータを見て初めて問題に気づいた、そのような場面で、原因の切り分けをどこから始めるかが判断に迷いやすいポイントです。

原因はユーザー側の設定問題と、SMS送信基盤の構造問題の2層に分かれます。問い合わせを根本的に減らすには、後者であるSMS送信基盤、特に「国際接続網(海外ルート)経由の送信が到達率を落としている」というシステム側の問題への対処が不可欠です。

この記事では、原因の切り分け方・代替認証手段の比較・プロバイダーを選ぶ際のチェックポイントを整理します。社内で認証フローの見直しを検討している担当者が、判断の出発点として使える内容を目指しました。

関連記事:認証コード(ワンタイムパスワード)の仕組み・種類・導入判断のポイント

この記事が役立つ場面

  • 「認証コードが届かない」問い合わせが続いており、原因と対処法を整理したい
  • 現在のSMS送信基盤が国内直収なのか国際接続経由なのか確認したい
  • SMS認証の代替手段(IVR・メール・着信番号)を比較して設計に組み込みたい
  • SMS送信プロバイダーの切り替えを検討しており、選定基準を整理したい

まず切り分ける:原因はユーザー側かシステム側か

SMS認証コードが届かない原因は、大きく「ユーザー側の問題」と「送信基盤(システム)側の問題」の2層があります。どちらが原因かによって、対処法が根本的に異なります。

原因の層 代表的な原因 企業がとれる対処
ユーザー側 電話番号の入力ミス・圏外・機内モード・迷惑メール設定・格安SIMのSMS未対応 注意喚起ページの設置・フォームのリアルタイムバリデーション・FAQリンクの常時表示
送信基盤(システム)側 国際接続網(海外ルート)経由での送信による到達率低下 国内キャリア直収のSMS送信基盤への切り替え・フォールバック設計の実装

問い合わせを根本的に減らすには、送信基盤側の問題の解消が前提です。ユーザー側の注意喚起だけでは、構造的な到達率低下は改善できません。

なぜ「国際接続網経由」だと届かないのか

SMSの到達率を大きく左右するのが、送信に使われる通信経路(ルート)です。

国内キャリア直収接続とは、NTTドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの国内主要キャリアの網にSMS送信サービスが直接接続している方式です。国内フィルタリングの影響を受けにくく、到達率99%以上(※ 当社調べ)を維持できます。

一方、海外CPaaSや格安のSMS送信サービスの多くは、海外のSMSゲートウェイを経由して日本のキャリア網に入ります。この国際接続網経由のルートは、2023年以降、国内主要キャリアがフィッシング詐欺対策として国際SMSのブロックを強化(※ 総務省「不適正利用対策に関するワーキンググループ報告書」)したことで、到達率が落ちやすくなっています。

鈴木 伸吾

鈴木 伸吾 (監修)

フィッシング詐欺の主要な入り口が国際接続網経由のSMSです。送信元として審査なしに任意のアルファベットと数字を使用できるため、番号の偽装が容易で、日本の法規制が及びにくい海外回線を悪用するケースが後を絶ちません。コスト優先で国際ルートを選ぶと、1通あたり数円の節約が認証失敗・離脱・問い合わせ増という形でROIを悪化させます。


送信ルート 到達率(目安) 特徴
国内キャリア直収 99%以上 安定。キャリアのフィルタリング影響を受けにくい
国際接続網(海外ルート) 80%前後 国内キャリアのフィルタリングで弾かれやすい。2023年以降到達率はさらに低下傾向

SMSが届かない場合の代替手段:4チャネル比較

SMS単一チャネルへの依存を減らすために、代替手段をフォールバックとして設計に組み込むことが有効です。SMSが届かない場合、自動で別チャネルへ切り替えることで認証完了率を維持できます。

認証方式 到達経路 SMSが届かない場合の代替適性 向いているケース
SMS認証 電話回線(SMS) ─(基本チャネル) ほぼすべての携帯端末。基本設計
IVR(自動音声)認証 電話回線(音声) ◎ SMS同様の電話回線で代替 固定電話ユーザー・ガラケー・SMSブロック環境
メール認証 インターネット △ 通信経路が異なり補完的 SMSを持たないユーザー・メールアドレス保有前提
着信番号認証 電話回線(着信) ◎ URLもOTPも不要で高耐性 フィッシング耐性を最優先したい場合

フォールバック設計の基本:SMS→IVR認証が実績の多い組み合わせ

SMSが未到達だった場合に、IVR(自動音声)認証へ自動切り替えする設計が、到達率改善の実績として多い組み合わせです。SMSとIVRは同じ電話回線を使うため、SMSブロックの影響を受けずに認証を完了できます。

ガラケー対応・インターネット不要という特性から、高齢者ユーザーが多いサービスや金融・インフラ業界での採用が多い手法です。

メール認証・着信番号認証との組み合わせも有効ですが、まずSMS→IVRの2チャネル設計から始めるのが開発工数と効果のバランスが取れた進め方です。

関連記事:SMSが届かない固定電話での認証時に、企業ができる対処法

ユーザー側の原因と企業がとれる対処

問い合わせを削減するには、ユーザー側の代表的な原因への事前対処も並行して行います。以下の12原因のうち、件数が多い上位3つへの対処が最も効果的です。

原因 対処法(企業側) 優先度
①電話番号の入力ミス 入力フォームのリアルタイムバリデーション+確認ステップ 高
②圏外・電波不安定 「圏外・機内モードをご確認ください」の案内をUI表示 中
③機内モードがオン 同上 中
④OSが古い(互換性問題) 「OSを最新にしてください」の案内 低
⑤迷惑メール設定によるブロック 送信元番号を事前明示。「受信設定確認ガイド」ページを設置 高
⑥固定電話・IP電話・データ専用SIM SMS非対応番号と判定された場合、IVR認証へ誘導 中
⑦格安SIMのSMSオプション未契約 認証画面に「格安SIMはSMSオプション要」の注意喚起 中
⑧SMS保存容量が上限 「空き容量を確保してください」の案内 低
⑨MNP乗り換え直後の一時制限 「乗り換え直後は最大数時間かかる場合があります」と案内 低
⑩短時間に複数回リクエストした制限 「○分後に再送信してください」のUI表示 中
⑪キャリアの通信障害 キャリア障害情報ページへのリンクを案内画面に設置 低
⑫VPN接続によるIPブロック 「VPNをオフにしてください」の案内 低

件数削減の優先順位として、①電話番号の入力ミス、⑤迷惑メール設定対策がコストパフォーマンスの高い対処法です。入力フォームのリアルタイムバリデーションと受信設定ガイドページの設置は、開発コストが低い割に問い合わせ削減効果が出やすい施策です。

企業が今すぐ着手できる4つの対策

図:企業が今すぐ着手できる4つの対策

優先度の高い順に整理します。

  • 対策① 送信基盤の確認・切り替え(最優先)
    現在利用しているSMS送信サービスが国内直収接続かどうかを確認します。国際接続網経由であれば、国内直収のサービスへの切り替えが到達率改善の最短経路です。到達率70〜80%前後 → 99%以上という改善が期待できます。
  • 対策② IVR認証のフォールバック追加
    SMS未到達時に自動でIVR(自動音声)認証へ切り替えるフォールバック設計を組み込みます。NTT CPaaSのように複数チャネルを1つのAPIで提供するプラットフォームを使うと、開発工数を最小化できます。
  • 対策③ ユーザー向け注意喚起の整備(低コスト・即効性あり)
    サービス登録フローに「SMS受信に関する確認ガイド」ページを設置します。送信元番号の事前明示・迷惑メール設定の確認方法・固定電話では受け取れない旨の記載を含めます。「認証コードが届かない場合はこちら」のFAQリンクを認証画面に常時表示することも有効です。
  • 対策④ カスタマーサポートの対応フロー標準化
    サポート担当がSMS認証の仕組みと不達の代表原因を理解していないと、問い合わせ対応品質がばらつきます。「SMS→IVR認証への切り替え案内」を標準フローに組み込み、問い合わせ履歴を分析して不達原因のトレンドを定期的にレビューします。

プロバイダーを選ぶ際のチェックリスト

SMS送信プロバイダーの品質は到達率に直結します。以下の項目を軸に比較してください。

確認項目 確認内容 重要度
国内キャリア直収接続 国内主要4キャリアと直接接続しているか ★★★
到達率の水準 99%以上を実績で示せるか ★★★
複数チャネル対応 SMS・IVR・メール・着信番号を1APIで管理できるか ★★★
認証APIの提供 OTP生成・照合APIが無料か有料かを確認 ★★★
サポート体制 障害時に日本語で即日対応できる専任チームがあるか ★★★
セキュリティ認証 ISO 27001・Pマーク・ISMSの取得状況 ★★☆
導入実績 金融・インフラなど高セキュリティ要件の業界実績 ★★☆
トライアル 無料トライアル・検証環境の提供 ★☆☆

NTT CPaaSと他サービスの比較

主なSMS認証プロバイダーの違いを整理します。

比較軸 NTT CPaaS 海外系OTPサービス(一般) 国内SMS送信サービス
接続方式 国内主要4キャリアと直接接続 海外ルート経由。国内到達率が変動しやすい 一部キャリアと直接接続。事業者によって差
到達率(国内) 99%以上 80〜97% 95〜99%
対応チャネル SMS・音声・メール・着信番号を1APIで提供 SMS・音声・メール(複数API管理が必要な場合あり) SMS中心(音声・メールは別途対応が多い)
認証ロジックAPI OTP生成・照合を追加料金なしで提供 認証成功ごとの従量課金が多い 認証ロジック非提供のケースが多い
グローバル対応 200以上の国と地域に対応 グローバル実績は豊富 国内中心
日本語サポート NTTグループによる日本語専任サポート 英語対応が中心 日本語対応
トライアル 60日間無料トライアルあり 初期費用が低い場合もあるが為替リスクあり 比較的低コストで導入できる

到達率・機能詳細は各社公開情報と当社調査に基づきます。実際の数値はサービス設計・利用環境によって異なります。

サービス
NTT CPaaS NTT CPaaS

▶ NTTグループの二要素認証(2FA)API|OTP生成・照合機能を無料提供

SMS・音声・メールによる二要素認証(2FA)をAPIで簡単に導入。ワンタイムパスワード(OTP)の生成・照合機能を無料で提供し、配信から本人確認までを一括実装。不正ログイン対策と開発工数の大幅削減を実現します。

NTT CPaaSで実現できること

NTT CPaaSは、SMS認証・IVR認証・メール認証・着信番号認証をAPIで統合して提供するプラットフォームです。これら4チャネルを1つのAPIで管理できるため、フォールバック設計の実装工数を最小化できます。

OTP(ワンタイムパスワード)の生成・照合APIは追加料金なしで提供されており、既存システムへの後付け実装がスムーズです。キャリア直接接続・国内データセンター・日本語専任サポートが揃っており、海外CPaaSでは不安という国内企業からの採用事例が多い構成です。

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まとめ:到達率を上げるための優先順位

SMS認証コードが届かない問題の根本は、多くの場合「送信基盤の問題(国際接続網経由)」です。ユーザー側の注意喚起は有効ですが、それだけでは構造的な到達率低下を解消できません。

優先して取り組むべき順は以下のとおりです。まず現在の送信基盤が国内直収かどうかを確認する。次に、国際ルート経由であれば国内直収サービスへの切り替えを検討する。そして、SMS未到達に備えたIVR認証のフォールバックを設計に組み込む。この3ステップが、到達率改善の最短経路です。

プロバイダー選定では、国内直収接続・複数チャネル対応・日本語サポート体制の3点が特に重要です。無料トライアルで自社環境での動作確認から始めることをおすすめします。

よくある質問

Q1.

SMS認証コードが届かない最も多い原因は何ですか?

A.

システム側では「国際接続網(海外ルート)経由での送信」が最も影響が大きく、到達率が80%前後に落ちます。ユーザー側では「電話番号の入力ミス」と「迷惑メール設定によるブロック」が件数の多い原因です。根本解決には国内キャリア直収の送信基盤への切り替えが有効です。

Q2.

格安のSMS送信サービスを使っていますが問題ですか?

A.

格安サービスの多くは海外ルートを経由します。1通あたりの送信コストは安くても、到達率が80%前後に落ちると認証失敗・問い合わせ増加・離脱という形で費用対効果が悪化します。「SMS送信単価」ではなく「認証完了率×サポートコスト」で総コストを評価することをおすすめします。

Q3.

NTT CPaaSの認証APIは本当に無料ですか?

A.

OTP(ワンタイムパスワード)の生成・照合APIは追加料金なしで提供しています。SMS・音声・メール・着信番号の各送信には通信費が発生しますが、認証ロジック自体は無料です。

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監修者 鈴木 伸吾(監修)
この記事の監修 鈴木 伸吾(監修)
NTTドコモビジネスX株式会社
コミュニケーション・プラットフォームサービス部 部長

「NTT CPaaS」の事業責任者および技術統括として、APIを活用した企業のDX推進とコミュニケーション変革を牽引。NTTグループの通信基盤を活かした次世代プラットフォームの構築を指揮している。 また、通信の利便性と安全性を両立させる専門家として、フィッシング対策協議会のメンバーに参画。詐欺情報の分析や被害抑制に向けた活動を通じ、安心・安全なデジタル社会の実現に寄与している。

「NTT CPaaS」の事業責任者および技術統括として、APIを活用した企業のDX推進とコミュニケーション変革を牽引。NTTグループの通信基盤を活かした次世代プラットフォームの構築を指揮している。 また、通信の利便性と安全性を両立させる専門家として、フィッシング対策協議会のメンバーに参画。詐欺情報の分析や被害抑制に向けた活動を通じ、安心・安全なデジタル社会の実現に寄与している。

目次
  1. まず切り分ける:原因はユーザー側かシステム側か
  2. なぜ「国際接続網経由」だと届かないのか
  3. ユーザー側の原因と企業がとれる対処
  4. 企業が今すぐ着手できる4つの対策
  5. プロバイダーを選ぶ際のチェックリスト
  6. NTT CPaaSと他サービスの比較
  7. NTT CPaaSで実現できること
  8. まとめ:到達率を上げるための優先順位
  9. よくある質問

2026.05.26