IVR音声ガイダンスの例文集|シーン別すぐ使える文例と設計の基本

代表電話・営業時間外・混雑時・SMS連携・障害対応など13シーンのIVR音声ガイダンス例文を掲載。なぜその文言が機能するかの設計理由と、SMS・Webと組み合わせた改善の考え方もあわせて解説します。

鈴木 伸吾(監修)

鈴木 伸吾(監修)

コミュニケーション・プラットフォームサービス部 部長

「ガイダンスの途中で切られる」「どの番号を押せばいいか分からないと言われる」——IVRの音声ガイダンスは文言ひとつで顧客の行動が変わります。設計が悪いと、自動化が逆に顧客満足度を下げる原因になります。

この記事では、代表電話・営業時間外・混雑時・SMS連携・障害対応など13シーンで使える例文を掲載しています。例文はそのまま使えるよう設計理由を短く添えており、文末に失敗しない設計の5原則とSMS・Web連携の考え方もまとめています。

この記事はこんな方へ

  • IVRの音声ガイダンスをゼロから作りたい、または見直したい
  • 混雑時・SMS連携・障害対応など特定シーンの文言に困っている
  • 離脱率が高い原因がガイダンス設計にあるか確認したい

まず確認——良いガイダンスと悪いガイダンスの違い

同じ内容でも、案内の順番・言葉の選び方・選択肢の数で、顧客が目的にたどり着けるかどうかが大きく変わります。

悪い例(離脱を招く) 良い例(操作を促す)
「各種お問い合わせは担当部署へおつなぎします。部署をお選びください。」 →「担当部署」が何か分からず離脱 「新規のお問い合わせは1を、ご利用中のお客様は2を、資料請求は3を押してください。」 →目的ベースで選べる
「1番:営業部、2番:総務部、3番:経理部…」と5択以上が続く →記憶できず途中で切る 選択肢は3〜4択に絞り、「その他は0」で救済 →迷わず操作できる

音声は視覚と違い、さかのぼって確認することができません。顧客はリアルタイムで判断をする必要があるからこそ、1回の案内で伝える情報量を絞り、「対象者→内容→番号」の順で構成することが基本です。

基本の例文(代表電話・営業時間外・部署振り分け・接続前案内)

ここでは実際のIVRの例文を、使用される場面別に紹介します。

代表電話の基本ガイダンス

最初に社名を名乗り、用件ベースの選択肢を3〜4択で案内します。部署名ではなく「何をしたいか」で分類することで、誰でも迷わず選べます。0番で有人対応への逃げ道を必ず用意してください。

 【例文】代表電話

お電話ありがとうございます。○○株式会社です。
ご用件に応じて番号をお選びください。
新規のお問い合わせは1を、
ご利用中のお客様は2を、
資料請求・各種お手続きは3を押してください。
担当者に直接おつなぎする場合は0を押してください。
▶ 「部署名」ではなく「目的」で分類。0番の救済導線は必須

営業時間外のガイダンス

現在の状況・受付時間・次の行動の3点を簡潔に伝えます。「また電話してください」だけで終わると再入電の増加につながります。Webへの誘導を添えることで機会損失を防げます。

 【例文】営業時間外(基本)

お電話ありがとうございます。○○株式会社です。
現在は営業時間外となっております。
営業時間は平日9時から18時までです。
恐れ入りますが、営業時間内におかけ直しいただくか、
当社ホームページよりお問い合わせください。
▶ 受付時間と代替手段(Web)を必ずセットで案内する

 

関連記事:営業時間外の電話対応|IVR・転送・代行・留守電の使い分けと選び方

部署・用件別の振り分けガイダンス

「どの部署か」ではなく「何をしたいか」という行動ベースで分けると選びやすくなります。意味が重なる選択肢(例:「製品について」と「故障について」)は誤操作の原因になります。

 【例文】部署振り分け

お電話ありがとうございます。○○株式会社です。
ご用件に応じて番号をお選びください。
商品・サービスのお問い合わせは1を、
請求・契約に関するお問い合わせは2を、
採用に関するお問い合わせは3を、
その他のお問い合わせは0を押してください。
▶ 選択肢の重複を避ける。「その他は0」で全件受け止める

接続前・待ち時間の案内

番号選択後の無音は顧客の不安を招きます。「つながっている」ことを短く伝えるだけで離脱を防げます。通話録音を行う場合は必ず事前告知が必要です。

 【例文】接続前案内

担当者におつなぎします。このまましばらくお待ちください。

 【例文】通話録音の案内

なお、サービス向上のため通話内容を録音させていただく場合があります。あらかじめご了承ください。
▶ 録音告知は法的にも必要。接続前に流す

 【例文】混雑時の待ち案内

現在、電話が大変混み合っております。
このままお待ちいただくか、しばらく時間をおいてからおかけ直しください。

鈴木 伸吾

鈴木 伸吾 (監修)

冒頭のガイダンスは丁寧さより「すぐ目的にたどり着ける構成」を優先してください。説明が長すぎるとストレスや離脱の原因になります。案内対象を先に伝え、そのあとに番号を示す順序(「新規のお問い合わせは1を」)が最も操作ミスを減らせます。

混雑・あふれ呼対応の例文

待たせるだけで終わらせず、顧客が「次に何をすべきか」を判断できる案内が重要です。待ち時間の目安を伝えるか、SMS・Webへの別導線を用意するかで顧客体験が大きく変わります。

関連記事:あふれ呼を減らす方法|原因の特定・対策の優先順位・サービス選定基準

回線混雑時の基本案内

 【例文】混雑時(基本)

現在、電話が大変混み合っております。
おつなぎするまでお時間をいただいております。
恐れ入りますが、このままお待ちいただくか、
しばらく時間をおいてからおかけ直しください。

 【例文】安心感を添える案内(待機中)

順番におつなぎしております。そのままお待ちください。
(または)お待たせして申し訳ございません。順番にご案内しております。
▶ 「説明なしの無音」が最も離脱を招く。短い一言でも流す

折り返し・かけ直しの案内

 【例文】折り返し案内

ただいま担当者が席を外しております。
担当者より折り返しご連絡いたしますので、このまま電話をお切りください。
お急ぎの場合は、しばらく時間をおいてからおかけ直しください。

SMS連携によるIVR例文

IVRとSMSを連携すると、電話をきっかけにURLをSMSで送信し、Webページへ誘導できます。電話口での長い聞き取りや待ち時間をなくし、顧客が自分のペースで手続きを進められる導線を作れます。

関連記事:IVR×SMS連携で電話対応を自動化する方法|仕組み・他チャネルとの違い・導入判断・サービスの選び方

SMS連携が特に有効なのは「入力が必要な手続き」「FAQで解決できる定型問い合わせ」「混雑時の折り返し予約」の3場面です。

手続き用URLの送付

 【例文】手続き用URL送付

手続き用のURLをSMSでお送りします。
SMSをご確認のうえ、記載のURLよりお進みください。

 【例文】本人確認URL送付

本人確認のため、確認用URLをSMSでお送りします。
SMSを開き、画面の案内に沿ってお手続きください。
▶ 何のためのURLかを先に告知することで不審なURLと誤解されにくくなる

WebフォームおよびFAQへの誘導

 【例文】Webフォーム誘導

お問い合わせフォームのURLをSMSでお送りします。
SMSをご確認のうえ、記載のURLより内容をご入力ください。

 【例文】FAQ誘導(SMS版)

よくあるご質問のページをSMSでお送りします。
SMSに記載のURLよりご確認ください。

折り返し予約ページへの誘導

 【例文】折り返し予約

担当者からの折り返し予約ページのURLをSMSでお送りします。
SMSをご確認のうえ、ご都合のよい日時をご選択ください。
▶ 混雑時のあふれ呼対策として最も効果的な導線の一つ

チャット・オンライン手続きへの誘導

 【例文】チャット誘導

チャットサポートのURLをSMSでお送りします。
SMSをご確認のうえ、ご利用ください。

 【例文】オンライン手続き誘導

オンライン手続きページのURLをSMSでお送りします。SMSよりお手続きください。

障害・緊急時の例文

障害や緊急時は「状況の簡潔な説明」「復旧見込み」「最新情報の確認方法」の3点を素早く伝えることが重要です。通常のガイダンスではなく、緊急用フローへ即座に切り替えられる運用体制を整えておくことが前提です。

システム障害発生時

 【例文】障害発生(復旧対応中)

現在、システム障害が発生しております。
復旧に向けて対応中です。
最新情報は当社ホームページをご確認ください。

 【例文】障害発生(復旧見込みあり)

現在、システム障害が発生しております。
復旧は本日中を予定しております。
ご迷惑をおかけいたしますが、今しばらくお待ちください。
▶ 復旧見込みを伝えることで再入電の集中を抑えられる

電話がつながりにくい状況

 【例文】つながりにくい状況(基本)

現在、電話が大変つながりにくい状況となっております。
恐れ入りますが、しばらく時間をおいてからおかけ直しください。

 【例文】つながりにくい状況(Web誘導)

現在、電話がつながりにくい状況です。
お急ぎでない場合は、当社ホームページもあわせてご利用ください。

災害・緊急事態時

 【例文】災害・緊急時(営業縮小)

現在、災害の影響により、電話対応を縮小しております。
通常営業の再開に関する情報は当社ホームページをご確認ください。

 【例文】災害・緊急時(安全確保優先)

現在、緊急事態のため通常どおりの対応ができない場合がございます。
最新情報は当社ホームページをご確認ください。
▶ Webへの誘導先URLはSMSで送れると顧客の行動がさらにスムーズになる

鈴木 伸吾

鈴木 伸吾 (監修)

障害時は通常の案内ではなく緊急用フローへ即座に切り替えられるようにしておくことが重要です。SMSとWebへの誘導導線があれば、電話が集中しても利用者は必要な情報を自分で取得できます。最新情報を速やかに反映できる運用体制もあわせて整えてください。

失敗しないガイダンス設計の5原則

図:失敗しないガイダンス設計の5原則

例文をそのまま使う場合も、自社用にアレンジする場合も、以下の5点を設計の基準にしてください。

原則 内容と判断基準
① 短く要点を伝える 1回の案内では要点を1つに絞る。前置きと重複表現を省く。選択肢は「結論→番号」の順で短く
② 専門用語を使わない 社内の部署名・システム名はそのまま使わない。「何をしたいか」を基準に言い換える
③ 次の行動を明示する 「1を押してください」「このままお待ちください」など具体的な操作を必ずセットで伝える
④ 選択肢を3〜4択に絞る 5択以上は記憶できず途中離脱が増える。大分類(3択)→次の階層で詳細化が現実的
⑤ 救済導線を必ず用意する どの階層にも「その他は0」「担当者につなぐ」などの出口を設ける。行き止まりにしない

設計後は「どの選択肢で離脱が多いか」を定期的にデータで確認してください。特定の番号の前後で離脱が多い場合は、選択肢の説明が長すぎるか、表現が分かりにくいサインです。

SMS・Webと組み合わせた改善の考え方

図:SMS・Webと組み合わせた改善の考え方

IVRは「電話を受けるだけ」の仕組みではなく、問い合わせ全体を最適化する入口として設計すると効果が大きく変わります。具体的な改善フローは次のとおりです。

問い合わせの種類 推奨する対応チャネル
FAQで解決できる定型質問 IVRからSMSでFAQページURLを送付→自己解決
入力が必要な手続き(申込・変更・予約など) IVRからSMSでWebフォームURLを送付→オンライン完結
混雑時の折り返し希望 IVRからSMSで折り返し予約ページURLを送付→再入電を防止
個別対応が必要な問い合わせ IVRで振り分け後、オペレーターへ接続

このように「電話で対応すべき問い合わせ」と「SMS・Webで完結できる問い合わせ」を入口のガイダンスで切り分けることが、あふれ呼の抑制とオペレーター負荷の軽減を同時に実現する設計の基本です。

大切なのは電話対応を減らすことではなく、「電話で対応すべき問い合わせに確実に対応できる体制を作ること」です。SMS・Web誘導はそのための補完手段です。

まとめ——ガイダンス設計の改善はここから始める

現在のガイダンスを見直す際は、以下の順番で進めることをお勧めします。

  • ログを確認する:どの選択肢で離脱が多いか、あふれ呼が発生している時間帯はどこかを把握する
  • 選択肢を整理する:5択以上なら3〜4択に絞り込む。部署名を目的ベースの表現に変える
  • 救済導線を確認する:すべての階層に「0番で担当者へつなぐ」など出口があるか確認する
  • SMS連携を検討する:定型的な問い合わせが多いなら、SMSでFAQ・Webフォームへ誘導する導線を追加する
  • 改善後のデータを計測する:到達率・自己解決率・あふれ呼率の変化を追い、継続的に見直す

IVRの音声ガイダンスは一度作って終わりではありません。問い合わせデータを見ながら改善を繰り返すことで、応答率・自己解決率・顧客満足度を同時に高められます。

サービス
NTT CPaaS NTT CPaaS

▶ Moments(コミュニケーション・フロービルダー)- ノーコードで始める業務連絡の自動化

「Moments」は、IVR(音声自動応答)を含む各種メッセージングサービス(SMS・Voice・メールなど)を高度に融合させ、顧客との双方向コミュニケーションを自動化するプラットフォームです。ドラッグ&ドロップの直感操作で、担当者が直接フローを構築・修正。開発のリードタイムゼロで、現場主導のスピード感ある運用が可能です。

よくある質問

Q1.

ガイダンスの長さはどれくらいが適切ですか?

A.

1つのガイダンスは15〜20秒以内が目安です。選択肢は1つあたり4〜6秒以内に収めてください。長くなる場合は選択肢の数を減らすか、次の階層に分けることを検討してください。

Q2.

音声は自分で録音しないといけませんか?

A.

録音が最も自然な音声になりますが、TTS(音声合成)機能に対応しているサービスなら、テキストを入力するだけで音声を自動生成できます。ガイダンスの変更頻度が高い場合やすぐに修正したい場合はTTSが便利です。

Q3.

SMS連携に対応していないIVRサービスでも、SMS誘導できますか?

A.

IVRサービス単体ではSMSを送信できませんが、SMS送信APIと組み合わせることで対応できます。NTT CPaaSであれば、音声IVRとSMS送信機能を単一基盤で活用できるため、システム間の接続負荷を最小限に抑えたスムーズな導入が可能です。

NTT CPaaSを、
60日間無料でお試しください

・SMS・Voice・メールを本番同様に無料で検証
・全API機能に即日アクセス有料プランと同一環境
・国内開発者向けに最適化された日本語ガイド

無料トライアル

監修者 鈴木 伸吾(監修)
この記事の監修 鈴木 伸吾(監修)
NTTドコモビジネスX株式会社
コミュニケーション・プラットフォームサービス部 部長

「NTT CPaaS」の事業責任者および技術統括として、APIを活用した企業のDX推進とコミュニケーション変革を牽引。NTTグループの通信基盤を活かした次世代プラットフォームの構築を指揮している。 また、通信の利便性と安全性を両立させる専門家として、フィッシング対策協議会のメンバーに参画。詐欺情報の分析や被害抑制に向けた活動を通じ、安心・安全なデジタル社会の実現に寄与している。

「NTT CPaaS」の事業責任者および技術統括として、APIを活用した企業のDX推進とコミュニケーション変革を牽引。NTTグループの通信基盤を活かした次世代プラットフォームの構築を指揮している。 また、通信の利便性と安全性を両立させる専門家として、フィッシング対策協議会のメンバーに参画。詐欺情報の分析や被害抑制に向けた活動を通じ、安心・安全なデジタル社会の実現に寄与している。

目次
  1. まず確認——良いガイダンスと悪いガイダンスの違い
  2. 基本の例文(代表電話・営業時間外・部署振り分け・接続前案内)
  3. 混雑・あふれ呼対応の例文
  4. SMS連携によるIVR例文
  5. 障害・緊急時の例文
  6. 失敗しないガイダンス設計の5原則
  7. SMS・Webと組み合わせた改善の考え方
  8. まとめ——ガイダンス設計の改善はここから始める
  9. よくある質問

2026.06.11