電話対応を効率化する方法|課題別のツール選びと失敗しない進め方

「電話が鳴るたびに業務が止まる」「つながらない」という課題に対して、コストゼロでできることから課題別のツール選択・あふれ呼の仕組み対策・失敗しない4ステップの進め方を実務目線で解説します。

鈴木 伸吾(監修)

鈴木 伸吾(監修)

コミュニケーション・プラットフォームサービス部 部長

「電話が鳴るたびに業務が止まる」「繁忙時間帯につながらない」「担当者によって案内内容が違う」——こうした電話対応の悩みは、仕組みを整えることで大半は解決できます。

必ずしもツールを導入する必要はありません。まずコストゼロで仕組みを整え、次に課題に合ったツールを選ぶという順番が、費用対効果の高い進め方です。

この記事では、今すぐ始められることから、課題別のツール選択・あふれ呼の仕組み対策・失敗しない4ステップを整理しています。

この記事はこんな方へ

  • 電話対応の効率化をどこから手をつければいいか分からない
  • IVR・チャットボット・クラウドPBXのどれを選ぶか判断したい
  • あふれ呼や時間外対応の取りこぼしを仕組みで解決したい

まず自社の電話対応の状態を確認する

以下の項目に3つ以上当てはまる場合、仕組みの見直しが必要です。

よくある状況 現場への影響
電話が鳴るたびに作業が止まる 集中力が途切れ、元の業務に戻るまでのコストが大きい
担当者によって案内内容が違う 顧客からの信頼低下・教育コストの増大
繁忙時間帯につながらない着信がある 商談機会の損失・既存顧客の対応遅延
折り返しや伝言のミスが起きる 顧客への余計な負担・信頼の低下
電話対応が特定の人に偏っている その人がいないと回らない属人化
電話対応に追われて残業が増えている 疲弊・離職リスクの高まり

まずコストゼロで始められること

図:まずコストゼロで始められること

ツールを入れる前に、仕組みで解決できることがあります。コストをかけずに効果が出るなら、ツール導入はその後で十分です。

マニュアルを整備する

誰が電話に出ても同じように回答できる状態をつくることが起点です。受電内容をもとに問い合わせの多い質問を整理し、回答をまとめておくと対応のばらつきを防げます。例外的なトラブルへの初動対応もあわせて決めておくと、現場が安心して対応できます。ただし例外対応を増やしすぎてルールが複雑化することには注意が必要です。

受電担当者を交代制にする

全員が常に電話対応に備えるのではなく、担当者をシフト形式で決めておくと、他のメンバーはコア業務に集中できます。企業規模が小さく交代が難しい場合は、電話代行サービスを活用するのも現実的な選択肢です。

折り返し・取り次ぎのルールを決める

伝言ミスや漏れを防ぐには、社内共通のフォーマット(いつ・誰が・何を)を用意するだけで変わります。厳格すぎるルールは現場が使わなくなるため、まずシンプルなテンプレートから始めてください。

営業電話は専用フォームへ誘導する

Webサイトに「営業連絡はこちらのフォームから」と案内するだけで、不要な着信が減ります。フォーム経由なら内容を事前に確認できるため、対応の必要性を判断してから折り返せます。

鈴木 伸吾

鈴木 伸吾 (監修)

IVRなどで入電を目的別に振り分ける「トリアージ設計」は、不要な電話を絞り込む手段として特に有効です。ツール導入の前に、まず入電内容を整理して「どこまで自動で振り分けられるか」を検討しておくと、その後のツール選定が格段にスムーズになります。

課題別のツール選び

図:課題別のツール選び

「何を解決したいか」によって選ぶべきツールが変わります。まず自社の課題にどれが近いかを確認してください。

課題 推奨するツール・手段 理由
テレワーク中でも電話を受けたい クラウドPBX 場所を問わず代表番号で受電できる
入電が集中してつながらない時間帯がある IVR・ビジュアルIVR・SMS誘導 振り分けとあふれ呼対応を自動化できる
定型問い合わせを減らしたい チャットボット・FAQ整備 電話の件数自体を減らせる
あふれ呼の放棄呼をなくしたい IVR+SMS自動送信 電話がつながらない瞬間にSMSでWebへ誘導できる
繁忙期・時間外だけ対応したい 電話代行 必要な期間だけコストをかけられる

導入事例:「お客様サービス向上」「問い合わせ電話の削減」「セールスのフォロー」など、SMSを多角的に活用し、コールセンターの課題を解決

クラウドPBX——テレワーク対応と拠点分散に

インターネット上に電話交換機を設置し、スマートフォンで会社の代表番号を受電できる仕組みです。オフィスにいなくても取り次ぎや転送ができるため、リモートワーク環境でも電話業務が成立します。音質はネット環境に左右されるため、自社の通信環境の確認が先決です。

IVR(自動音声案内)——入電の振り分けと一次受付を自動化する

電話をかけてきた人に番号を選んでもらい、担当窓口へ直接つなぐシステムです。「1番は営業、2番はサポート」という振り分けにより、取り次ぎの手間がなくなり、担当者が用件のわかった状態で通話を始められます。

案内が長すぎると顧客のストレスになるため、選択肢は3〜4つに絞り、簡潔な音声に設計することが重要です。IVRとCRMが連携していない場合、通話後の情報入力が手作業になるため注意が必要です。

関連記事:IVR(自動音声応答)とは|仕組み・種類・導入判断の基準

チャットボット——電話件数そのものを減らす

Webサイト上で対話形式のロボットが24時間自動で質問に回答する仕組みです。定型的な質問(営業時間・料金・FAQ)をチャットで解決できれば、電話がかかってくる件数が減ります。まず無料で始められるシンプルなシステムから試し、問い合わせ内容に合わせてFAQを育てていくのが現実的です。

電話代行——繁忙期・時間外の一次受付として

専門のオペレーターが代わりに電話を受け、内容を記録して折り返しを依頼する仕組みです。自社の細かい事情まで対応できないため、「まず一次受付として受ける・折り返しを依頼する」という使い方に限定するのが現実的です。常時ではなく繁忙期や時間外のみの活用で費用対効果が出やすいです。

鈴木 伸吾

鈴木 伸吾 (監修)

単体機能の比較だけでなく、既存システム(CRMなど)とのAPI連携性が重要なポイントです。IVRとCRMが連携していない場合、通話後に手作業で情報を入力する必要があり、現場の負担が増えやすくなります。また、IVRの設計が複雑すぎると利用者が目的のメニューにたどり着けず離脱します。操作が直感的かどうかも選定基準に含めてください。

「電話がつながらない」問題を仕組みで解決する

あふれ呼(入電が集中してつながらない状態)が発生した瞬間に、SMSでFAQ・Web手続きページを自動送信する仕組みを入れると、顧客が電話を待たずにスマートフォンで自己解決できます。電話件数の削減と顧客満足度の維持を同時に実現できます。

課題 仕組みの流れ 効果
入電集中で電話がつながらない あふれ呼発生→SMSで自動送信→FAQ・Webページで自己解決 放棄呼をゼロに近づけられる・顧客の待ち時間がなくなる
時間外の問い合わせを取りこぼしている 営業時間外着信→SMSでフォームURLを送信→翌営業日に確認 機会損失を防ぎ、対応漏れがなくなる
定型問い合わせでオペレーターを消耗している IVRで用件振り分け→FAQ・Webへ誘導 有人対応を複雑案件に絞れる
サービス
NTT CPaaS NTT CPaaS

▶ あふれ呼対策|IVRによる入電の一次応答・自動化

あふれ呼や時間外呼を受けた際、SMSを自動送信して、顧客をFAQやセルフサービス対応ページに誘導。NTT CPaaS Moments を活用すれば、顧客対応に掛かるオペレーターの稼働を削減したり、営業時間外にも24時間問合せを受付できます。

失敗しない進め方——4ステップ

図:失敗しない進め方——4ステップ

「ツールを入れたが使われていない」「マニュアルを作ったが誰も見ない」は電話効率化でよくある失敗です。現状把握から始め、課題を特定してから施策を打つ順番が重要です。

STEP 1:入電数・時間帯・内容を2週間記録する

誰からいつどのような理由で電話が来たかを記録します。受電件数・発生タイミング・入電内容を定量的に把握することが改善の土台になります。平均処理時間(AHT)や一次解決率も記録できると、後のツール選定の根拠になります。

STEP 2:ボトルネックを特定する

記録したデータから「この時間帯に集中している」「この問い合わせが繰り返される」「この担当者に偏っている」という傾向を探します。工数の大きい定型業務を特定して優先的に自動化すると、効率的に改善が進みます。

STEP 3:特定の部署でテスト運用してから展開する

全社に一気に展開するのは禁物です。まず特定の部署でテスト運用を行いながら課題を洗い出し、徐々に適用範囲を広げることで失敗リスクを抑えられます。

STEP 4:効果を測定して継続的に見直す

応答率・折り返し漏れ件数・対応時間の変化を月次で確認します。「思ったほど改善していない」場合はマニュアルの内容やIVRのシナリオを見直します。定期的に調整を続けることで運用の形骸化を防げます。

まとめ——どこから始めるかのチェックリスト

電話対応の効率化は、ツールを入れる前に「マニュアル・交代制・折り返し・取り次ぎルール」を整えることが最初の一手です。コストゼロで始められることが多く、状況を見てからツール導入を検討する順番が費用対効果の高いアプローチです。

  • 入電が振り分けられていない・対応にばらつきがある:まずマニュアル整備とIVRの導入を検討する
  • あふれ呼・放棄呼が発生している:IVR+SMS自動送信で顧客をWebへ誘導する動線を設計する
  • 電話件数そのものを減らしたい:チャットボットとFAQ整備でセルフ解決率を上げる
  • テレワーク環境で電話対応が困難:クラウドPBXで場所を問わず代表番号での受電を実現する

失敗を防ぐには、まず2週間の入電記録でボトルネックを特定し、特定の部署でテスト運用してから全社展開する段階的なアプローチが重要です。

サービス
NTT CPaaS NTT CPaaS

▶ Moments(コミュニケーション・フロービルダー)- ノーコードで始める業務連絡の自動化

「Moments」は、IVR(音声自動応答)を含む各種メッセージングサービス(SMS・Voice・メールなど)を高度に融合させ、顧客との双方向コミュニケーションを自動化するプラットフォームです。ドラッグ&ドロップの直感操作で、担当者が直接フローを構築・修正。開発のリードタイムゼロで、現場主導のスピード感ある運用が可能です。

よくある質問

Q1.

IVRとチャットボット、どちらを先に導入すべきですか?

A.

「入電数は多いが内容を振り分けたい」ならIVRが先です。「電話件数そのものを減らしたい・チャンネルを増やしたい」ならチャットボットが先です。課題のタイプで優先順位が変わります。

Q2.

電話代行サービスはどんな場合に向いていますか?

A.

常時の代行ではなく「繁忙期だけ」「時間外だけ」の活用が費用対効果が高いです。自社の細かい事情まで対応できないため、一次受付と折り返し依頼に使い方を限定するのが現実的です。

Q3.

電話対応の効率化でよくある失敗は何ですか?

A.

「ツールを導入したが現場が使いこなせない」「マニュアルを作ったが誰も見ない」の2パターンが最多です。導入前の現場巻き込みと、使いやすい設計・運用ルールの整備がセットで必要です。

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監修者 鈴木 伸吾(監修)
この記事の監修 鈴木 伸吾(監修)
NTTドコモビジネスX株式会社
コミュニケーション・プラットフォームサービス部 部長

「NTT CPaaS」の事業責任者および技術統括として、APIを活用した企業のDX推進とコミュニケーション変革を牽引。NTTグループの通信基盤を活かした次世代プラットフォームの構築を指揮している。 また、通信の利便性と安全性を両立させる専門家として、フィッシング対策協議会のメンバーに参画。詐欺情報の分析や被害抑制に向けた活動を通じ、安心・安全なデジタル社会の実現に寄与している。

「NTT CPaaS」の事業責任者および技術統括として、APIを活用した企業のDX推進とコミュニケーション変革を牽引。NTTグループの通信基盤を活かした次世代プラットフォームの構築を指揮している。 また、通信の利便性と安全性を両立させる専門家として、フィッシング対策協議会のメンバーに参画。詐欺情報の分析や被害抑制に向けた活動を通じ、安心・安全なデジタル社会の実現に寄与している。

目次
  1. まず自社の電話対応の状態を確認する
  2. まずコストゼロで始められること
  3. 課題別のツール選び
  4. 「電話がつながらない」問題を仕組みで解決する
  5. 失敗しない進め方——4ステップ
  6. まとめ——どこから始めるかのチェックリスト
  7. よくある質問

2026.06.22