電話番号を利用したコンバージョン向上

NTT CPaaSのMoments Flowを活用し、顧客の連絡先(固定電話・携帯電話)の特性に合わせて、Voice (自動架電)とSMSを組み合わせた最適なアプローチを自動化する方法を解説します。今回は具体的なユースケースとして「会員のサービス移行案内」を例に、その構築手法を学びます。

目的

「顧客の電話番号リストはあるけれど、一斉送信のSMSを送るだけで終わっている」「電話番号をどうマーケティングに活かせばいいか分からない」 「架電リストはあるが、一人ひとりに電話をかけるリソースがない......」。せっかく取得した電話番号という強力なコンタクトポイントも、使い道が分からなければ宝の持ち腐れです。

本記事では、NTTCPaaSのMoments Flowを活用し、顧客の連絡先(固定電話・携帯電話)の特性に合わせて、Voice (自動架電)とSMSを組み合わせた最適なアプローチを自動化する方法を解説します。今回は具体的なユースケースとして「会員のサービス移行案内」を例に、その構築手法を学びます。また、実際に弊社でこちらに則り作成し実施した施策の結果を紹介し、得られた示唆や数値もご参考にしてください。

本記事はMomentsの基本的な操作を習得した方を対象としています。Momentsの基礎については、こちらを参照ください。

概要

なぜMoments Flowが最適なのか: 電話番号マーケティングの鍵は「固定電話なら架電」「携帯電話ならSMS」といった、デバイスの特性に応じたきめ細やかなチャネルの使い分けです。Moments Flowなら、ノンコードで視覚的にこのロジックを組み込み、確実かつ堅牢な自動化を実現できます。

Moments Flowを活用することで、以下の価値を実現できます。

  • 直感的なワークフロー構築: プログラミングの知識がなくても、デバイス判別やクリックの有無、電話口での番号入力といった複雑な条件分岐を視覚的に組み立てられます。
  • VoiceとSMSの強力な連携: 「電話で案内を行い、その直後にSMSで詳細を送る」といった、音声とテキストを組み合わせた確実性の高い導線を1つのフローで完結できます。
サービス
NTT CPaaS NTT CPaaS

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事前準備

ステップ0: 管理画面設定

施策を開始する前に、管理画面で以下の設定を完了させておきましょう。

  1. Peopleの属性・タグ設定: タグ配信対象の抽出でも、レポート用途でも、こちらの設定が活用できます。電話番号種別から、案内済み、SMS未クリック(要フォローなど)もこちらで設定すれば、円滑になります。
  2. 送信元番号の確保: VoiceおよびSMS送信用の番号がアクティブであることを確認。それぞれすべてが同じであることが好ましいです。同一の番号にすることでフィッシング詐欺の疑いを減らし、不在着信への折り返し対応もスムーズになります。※NTTCPaaSの電話番号注文時に同一番号希望の旨を依頼することで用意可能です。
  3. 音声用の原稿の考案: TTS(テキスト読み上げ)で使用する原稿を準備します。
  4. 短縮URL用カスタムドメイン (推奨): 企業のブランディングや信頼性向上のため、貴社のサブドメイン(例: s.nttcoms.comなど)を新規発行して利用することが望ましいです。既存ドメインとの兼ね合いを情報システム部と確認の上、設定してください。

固定電話へのアウトバウンド案内 (Voice × SMS)

固定電話しか登録がない顧客に対し、自動架電でリーチし、詳細案内を送るための携帯番号を「その場で」聞き出しSMSを送信するフローです。


  • ステップ1: 対象者の抽出 ファイルインポート時等に付与した「固定」タグをエントリポイントに設定し、対象ユーザーを抽出します。
  • ステップ2: 自動架電とガイダンス再生 「発信通話を開始」要素を配置し、TTSで「○○のお知らせです。詳細を携帯電話へお送りするため、送信先の携帯番号を入力してください」と案内します。
  • ステップ3: DTMF (番号入力)の収集 「収集」要素を使用し、顧客がダイヤルボタンで入力した携帯番号を変数に格納します。
  • ステップ4: SMSへのチャネルシフト 完了ユーザーにタグを付与し、収集した番号宛に詳細URLを含むSMSを即時送信します。

参考 ※

施策の結果、固定電話では就業時間を避けた時間帯(18:00〜18:30等)の方が応答率が向上する傾向がありました。「一時停止」ステップを活用し、ターゲットが在宅している可能性の高い時間帯まで待機させる設定が効果的です。下記画像は紙面の都合上一部のみ抜粋です。

携帯電話へのSMS案内

携帯電話番号が判明している顧客には、まずSMSでクイックにメッセージを届け、その後のアクションをトラッキングします。


  • ステップ1: 一斉送信の実行 携帯番号セグメントに対し、URL付きの「SMS」要素を送信します。
  • ステップ2: URLクリックの計測 短縮URLのクリックトラッキングを有効にし、関心度を判定します。
  • ステップ3: 結果に応じたタグ付け 「条件分岐」要素で、クリックあり(興味あり)と、3日経過してもクリックなし(未反応・要フォロー)のルートに分けます。

参考 ※

実際の施策例では、概してクリック率10%を上回る結果が得られました。


携帯電話SMSの未反応者への自動架電リマインド

SMSに反応がない層に絞って架電することで、コストを抑えつつ顧客体験も配慮した慎重なフォローアップを実現します。


  • ステップ1: ターゲットの自動抽出 前フローで「未反応」タグが付与されたユーザーをトリガーにします。
  • ステップ2: リマインド架電の実行 TTSで「先日SMSでお送りしたご案内はお手元に届いておりますでしょうか。再度メッセージの受け取りを希望される場合は『1』を押してください」と案内します。
  • ステップ3: 再送希望の受付とSMS実行 「1」を検知した場合、詳細URLを記載したSMSを即時再送します。

参考 ※

施策結果、電話応答者の40%が内容を聞き、その中で2%がSMS再送を希望するという効果的な数値を得られました。インバウンド対応フローを併用することで、クレームリスクも最小限に抑えられています。

折り返し電話へのIVR対応(インバウンド)

通知を見た顧客からの折り返し着信に24時間無人対応し、機会損失を防ぎます。このフローでは架電してきた番号によって固定電話番号か携帯電話か判別し、SMSを送るための処理をそれぞれに対応すべく変更しています。


  • ステップ1: 着信 フローの開始点として「インバウンド通話」を設定します。
  • ステップ2: 回線種別の判定 後続の処理のために、着信した電話が携帯電話か固定電話かを判定します。
  • ステップ3: IVR案内(携帯電話からの架電の場合) 「再生(IVR)」要素で、「詳細をSMSで受け取る場合は『1』を押してください」と案内します。
  • ステップ4: SMS自動送信(携帯電話からの架電の場合) 「1」が押された場合、着信元の携帯電話番号へURLを記載したSMSを自動送信します。
  • ステップ3’: IVR案内(固定電話からの架電の場合) 「再生(IVR)」要素で、「詳細をSMSで受け取る場合は携帯電話番号を押してください」と案内し、携帯電話番号の入力を促します。
  • ステップ4’: 携帯電話番号の入力とSMS送信(固定電話からの架電の場合) 入力された携帯電話番号をフロー内で使用するカスタムフィールドに格納。その後、Call APIを用いて格納した携帯電話番号宛にSMSを送信します。

参考 ※

Voice発信した方のうち2%から折り返しがあり、その約1/3が最終的に案内SMSを希望されました。


まとめ

本チュートリアルのフローを運用することで、単なる「番号リスト」が「マーケティング資産」へと変わります。

  1. デバイスを選ばない到達力: 固定電話・携帯電話それぞれの特性を活かしたアプローチ。
  2. 折り返し自動対応: 同一の番号でインバウンドコールにも対応することで、不在着信に反応したお客様へも適切な情報をご案内します。これにより対応の機会損失を防ぎ、カスタマーエクスペリエンスの低下を回避します。
  3. 精度の高い追跡管理: 「誰がどの段階にいるか」をPeople一元管理。

このタグ情報を活用し、「案内は聞いたが、まだアクションがない人」にだけ特別なインセンティブを提示するなど、さらに高度なコミュニケーション施策へと展開することが可能です。

NTTドコモビジネスXでは、多数のフローテンプレートを用意しています。こちらでご紹介したものでもそれ以外でも、設定代行をご入用の際はぜひお問い合わせください。

※本記事の参考としてご紹介している数値や知見は、あくまで弊社の取り組みに基づく実績値や示唆に過ぎません。実際の結果は、お客様のリスト内容、案内文、実施時期などの様々な要因によって変動しうることをあらかじめご了承ください。

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目次
  1. 目的
  2. 概要
  3. 事前準備
      1. ステップ0: 管理画面設定
  4. 固定電話へのアウトバウンド案内 (Voice × SMS)
  5. 携帯電話SMSの未反応者への自動架電リマインド
  6. 折り返し電話へのIVR対応(インバウンド)
  7. まとめ

2026.03.22