双方向SMSで実現する顧客起点のコミュニケーション
NTT CPaaSの双方向SMS (Inbound SMS) 機能を活用し、顧客からの返信内容に応じた自動応答や条件分岐をフローAPIで実現する方法を解説します。
2026/04/02
目的
多くの企業がSMSを「お知らせの通知」として利用していますが、一方的な配信だけでは、顧客がその内容をどう受け止めたのか、次に何を求めているのかを把握することが困難です。「送っておしまい」のコミュニケーションから脱却しSMSを双方向のコミュニケーションチャネルとして活用してみませんか。
本記事では、NTT CPaaSの双方向SMS (Inbound SMS) 機能を活用し、顧客からの返信内容に応じた自動応答や条件分岐を実現する方法を解説します。これにより、顧客一人ひとりのニーズ合わせた柔軟なフォローアップが可能になります。
双方向SMSの3つの強み
設定に入る前に、なぜ他の手段ではなくSMSが有効なのか、その理由を整理しましょう。
- 圧倒的な到達率と開封スピード(低レイテンシ)
SMSの開封率は概してメールなどのほかチャネルを上回り、その多くが受信から数分以内に確認されます。メールのように「埋もれる」ことがなく、配車予約やイベント案内など、「今すぐ反応が欲しい」タイムリーな施策において無類の強みを発揮します。 - 「短文」が生むコミュニケーションの純度
SMSは文字数制限があるからこそ、顧客の回答も「Yes/No」や「番号」など、要点が絞られたものになります。これは企業側にとって、顧客の意思を正確かつスピーディーに判別できる(=データ処理がしやすい)というメリットに繋がります。 - エンゲージメントの向上
「返信ができる」という体験は、顧客に「自分専用の窓口がある」という安心感を与え、顧客との信頼関係を深めます。双方向性を解放することで、想定以上のフィードバックが集まり、サービス改善のための貴重なデータソースとなります。
コミュニケーションの起点別に2つの代表的なシナリオを作成します。
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チュートリアルの内容は、トライアル環境ですぐにお試しいただけます。クレジットカード情報の登録は不要、自動で課金されることもありません。送信テストや動作確認に、ぜひ無料トライアルをご活用ください。
【事前準備】管理画面の設定
APIやフローを動かす前に、受け皿となる設定が必要です。
- バーチャル番号/送信元の確保:
インバウンドを受け付けるための電話番号は、NTT CPaaSマイページにて購入が必要です。 - カスタムフィールドの作成:
「People」モジュールにて、顧客の回答を保存するためのカスタムフィールド(例: survey_response, campaign_code)を作成しておきます。 - タグの設計:
特定の反応を示した顧客を分類するためのタグ(例:キャンペーン参加者、重要顧客フォロー要)を決めておきます。
【実践】シナリオ1:アウトバウンド後の反応に応じた条件分岐
こちらからSMSを送り、選択肢 (1か2)で返信を求めるパターンです。
活用例:新商品の先行案内
- 送信メッセージ: 「【限定案内】新商品の先行体験会を開催します。参加希望の方は『1』、資料の閲覧のみを希望される方は『2』と返信してください。」
実装手順
- エントリーポイント: 対象の顧客リスト (People)を指定してフローを開始します。
- SMS送信ステップ: 上記のメッセージ文言を設定して送信します。
- 「インバウンドメッセージの評価」ステップを追加:
キーワード設定:
・条件A: メッセージの内容が1と一致する場合
・条件B: メッセージの内容が2と一致する場合
※条件は完全一致となるため、表記ブレを許容し入力を読み取れるように、いくつか候補を持たせておくとよいです。

- 条件分岐後のアクション:
- パスA (1の場合): 自動で「予約URL」を記載したSMSを返信し、Peopleの属性に「体験会希望」フラグを立てます。
- パスB (2の場合): 後続の資料送付リンクをSMS返信します。

【実践】シナリオ2:ポスターや広告を起点とした自動応答
オフライン(ポスターやチラシ)からSMSへ誘導し、顧客接点を作るパターンです。QRコードの代わりとして機能します。
活用例:店頭ポスターからのクーポン配布
ポスター掲示:
「この番号 (0005-X)に『クーポン』と送るだけで、今すぐ使える500円割引券をプレゼント! 今後こちらのSMSにお得な情報を含めお知らせします。※期限は○月△日まで
※配信停止は『停止』と返信してください。
※プライバシーポリシーについては弊社HPをご確認ください。」
実装手順
- エントリーポイントに「インバウンドメッセージ」を選択:
受信条件: 「特定のキーワード(クーポン)」に設定します。

- SMS送信ステップ:
「ご応募ありがとうございます! こちらがクーポンコード 【ABC500】です。お会計時にご提示ください。今後こちらのSMSにお得な情報を含めお知らせします。配信停止をご希望の方は1と入力ください。」という内容を設定します。 - データの蓄積:
このフローを通った電話番号は、自動的にPeople (顧客データベース)に登録されます。当然配信希望しない方は、タグで記録することができます。オプトアウトは確実にとれるように、インバウンドメッセージの評価期間は無制限、すべてのキーワードを許容するか表記ゆれに対応できるようにキーワードを含む条件にします。

まとめ:収集したデータは「資産」になる
双方向のチャネルを開放すると、予想以上に多くの顧客から反応が返ってくることに驚くはずです。これは、顧客があなたのサービスに対して「リアルタイムに反応したい」という意欲を持っている証拠です。
収集された電話番号や回答データは、単なる名簿ではなく、顧客の熱量を反映した「資産」です。あらかじめ許諾を得た上で、これらのデータを次のマーケティング施策に活用し、顧客との強固な信頼関係を築いていきましょう。
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2026.04.02