People APIを利用し、ECサイトの「購入完了」を捉え、次の施策へつなげる
NTTCPaaSが提供するサーバーサイド連携の「People API」に焦点を当て、ECサイトにおけるその最適な活用法を、クライアントサイド連携の「WebSDK」との比較を交えながら解説します。
2025/09/26
【概要】確実性と安全性が鍵:People APIが選ばれる理由
ECサイトのデータ連携には、目的の異なる2つのアプローチがあります。
Webサイト上のリアルタイムな行動を追うならWebSDKが適しています。「かご落ち」などユーザーの流動的な動きを捉えるのに便利ですが、データはユーザーのブラウザを経由するため、あくまで参考情報としての活用に留まります。WebSDKを用いたかご落ちのシナリオについてはこちら。
※このチュートリアルで使用するPeople APIの仕様は、People APIリファレンスにまとめています。
対して、ビジネスの根幹をなす「購入完了」のような確定した事実を扱うには、People API(サーバーサイド連携)が最適です。お客様のサーバーからNTTCPaaSへ直接、安全な通信で連携するため、注文IDや購入金額といった重要情報を堅牢に記録できます。この堅牢さこそが、People APIが選ばれる最大の理由です。

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【実践】People API活用シナリオ:購入完了から始まる顧客エンゲージメント
それでは、ユーザーが商品を購入した直後から、People APIをどのように活用していくのか、具体的なシナリオを見ていきましょう。
●事前準備
ステップ0:データ格納用のフィールド・タグ・イベントを用意する
People APIで登録できるデータの種類には、属性情報を格納するフィールドとタグ、また行動情報に対応するイベントがあります。今回は、下記のように作成します。
使用するデータ例:
- 顧客の連絡先(フィールド): メールアドレス、電話番号、等
- 顧客の属性(タグ): 購入者
- 購入情報(イベント):(値の例)
- PurchaseDate: 2025-08-15
- PurchaseAmount: 8000
- PurchasedItems: "A"
- orderId: "PO-12345"
フィールド:People>構成に移動し、順次カスタム属性を作成し保存。今回使うメールアドレスはデフォルトで備わっているため、作成なし。
タグ:People>タグに移動し、タグを作成

イベント:People>イベントに移動し、イベントを作成

●実施手順
ステップ1:購入完了データをPeople APIで連携する
顧客が購入を完了した瞬間、お客様のECカートシステムやバックエンドシステムがそのイベントを検知します。これをトリガーに、People APIを呼び出してNTTCPaaSへ情報を送信します。
APIリクエストのサンプルコード (cURL):
curl -L -g "YOUR_BASE_URL/people/2/persons" \
-H "Authorization: App YOUR_API_KEY" \
-H 'Content-Type: application/json' \
-d '{
"tags": [
"購入者"
],
"contactInformation": {
"email": [
{
"address": "example@example.com"
}
]
}
}'
レスポンス例
{"createdAt":"2025-08-15T09:11:23","modifiedAt":"2025-08-15T09:11:23","id":644,"type":"CUSTOMER","origin":"API","modifiedFrom":"API","tags":["購入者"],"contactInformation":{"email":[{"address":"example@example.com","isPrimary":false}]}}Tips:更新の場合は、こちらを参照
①で作成したパーソンへのイベント付加
curl -L "YOUR_BASE_URL/peopleevents/2/persons/example@nttcoms.com/definitions/Purchase/events?identifierType=EMAIL" \
-H "Authorization: App YOUR_API_KEY" \
-H 'Content-Type: application/json' \
-d '{
"properties":{
"purchaseDate": "2025-08-15",
"purchaseAmount": 8000,
"purchasedItem": "A",
"orderId": "PO-67890"
}
}'
レスポンス例
{"eventId":"cc190aab-415d-4089-bbd4-ee8dffefc339","definitionId":"Purchase","occurredTime":"2025-08-15T09:13:55.544Z","properties":{"purchaseDate":"2025-08-15T00:00:00Z","purchaseAmount":8000.0,"purchasedItem":"A","orderId":"PO-67890"},"metadata":{"source":"API"}}このAPI連携により、NTTCPaaS上の顧客データベース「People」に、信頼性の高い顧客プロファイルが作成・更新されます。これにより、レスポンスを参照でき情報のロスなく顧客データが処理されたことを確認できます。
ステップ2:サンキューメールと内部通知を確実に実行する
People APIによるデータ連携の成功は、次のアクションの確実なトリガーとなります。
NTTCPaaSのマーケティングオートメーション機能「Moments」を使い、以下のフローを自動実行します。
- 顧客へのアクション:
- 連携された顧客情報(氏名、購入商品など)を埋め込んだ、パーソナライズされた「購入完了サンキューメール」を即時送信します。
- 社内へのアクション:
- 発送担当チームのメーリスへ「新規注文通知:注文番号PO-67890」といった社内通知を自動で送信し、業務プロセスを円滑にします。
People APIを起点とすることで、顧客への感謝の伝達と、社内の業務連携を、遅延や漏れなく実行できます。
下記はアクティブ化したフローの例です。

ステップ3:蓄積したデータを活用し、LTVを最大化する
People APIで蓄積した正確な購入履歴は、未来の売上を作るための貴重な資産です。
「People」に蓄積されたデータを元に、以下のような具体的な顧客セグメントを作成できます。
- 「特定の商品Aを1ヶ月以内に購入した顧客」
- 「累計購入金額が5万円以上の優良顧客」
これらのセグメントに対して、関連商品のおすすめ(クロスセル)、より上位の商品の提案(アップセル)、あるいは休眠顧客の掘り起こしキャンペーンなどを「Moments」で実行することで、一人ひとりの顧客に響く、効果的なプロモーションが実現します。
<上記Momentsを構成する際のTips>
「特定の商品Aを一か月以内に購入した顧客」
フロー上で一度きりの収集をエントリーポイントとしてセグメントステップを使用します。セグメントでは、行動のほうでPurchaseイベントを指定し、期間と回数を規定します。

「累計購入金額」は、People>構成>計算属性にて、作成できます。計算属性は、イベント内の数値のプロパティに対して、平均、合計、最小値といった様々な計算式を適用することができます。

まとめ
ECサイトにおける顧客コミュニケーションにおいて、すべてのイベントを同じ方法で連携するのは非効率かつリスクが伴います。
- サイト上の流動的な行動には、リアルタイム性に優れたWebSDK。
- 「購入完了」のようなビジネスの根幹をなす確定的なイベントには、安全・確実なPeople API。
このように使い分けることで、NTTCPaaSのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。特にPeople APIは、お客様の大切な顧客データを守り、確実な業務連携と、その先のLTV向上を実現するための要となる機能です。
ぜひ、この強力なAPIを活用し、お客様のビジネスを次のステージへと進めてください。
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2025.09.26